◆柑橘な季節

街路樹の葉が色づき始め、冷たい北風が肌に吹き付ける季節になると、市場には香りのよい柑橘類がたくさん並び始めます。

柚子、すだち、カボス、檸檬など、手にとって香るだけでも愉しい気持ちになるものばかりです。

◆国産ライム

国内では生産量の少ないライムを栽培している農園が和歌山県有田あると知り、
10月下旬取材してきました。


◆特別栽培あんしん農園

取材先は、「特別栽培あんしん農園」という屋号も合わせもつ若林農園さん。

その名の通り、化学合成農薬と化学肥料を50%以上減らして栽培した『特別栽培農産物』の認定を受け、主に完熟ありだみかん、デコポンの栽培をしています。

◆棚田のあとで


元棚田だった傾斜のきつい地形を利用した農園には、太陽の光を浴びて大きく
なった蜜柑の木が並んでいます。


その斜面のてっぺんあたりに、緑色の大きな実をたくさんつけたライムが栽培されていました。

ライムの実は檸檬に比べると丸みを帯び、手にとるとほんのりと苦みばしった香りがします。


◆実なりの接木

「柑橘類の木は接木でないと実をつけないので、このライムの木の土台は蜜柑
の木なんですよ。

ほら、途中で接木してあるのがわかるでしょ?

接木をして4年目になります。」


二代目である若林康樹さんが教えてくれます。

確かに、土台に生る実は楕円形
で、ライムとは異なる形をしています。


◆和風ライム

「不思議ですね。1本の木に2種類の実が生るなんて。」

和風ライムとでも言ったらよいのか、新しい柑橘類との驚きの出会いでした。

◆ジンxライム

家に持ち帰り、さっそくライムと相性のよいジンにもぎたての実を漬け込みま
した。


ジュニパーベリー(杜松/ねずの実)で香りつけをしたジンとライムが合わさり、いったいどんな芳香に仕上がるか今から愉しみです。石鹸のなかに再現して、お届けできたら嬉しいですね。


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